楽喜舎日録

2013年1月から始めた「楽喜舎」(らっきしゃ)の日録。日々の暮らしからみえてくるものを発信します。日々実践!

大きな力の前に


「たな〜、いい天気になったね。畑に散歩に行こうか。」


畑に出るまでの道は、鎖をはずしてやります。
たなは嬉しそうに坂道を登ったり降りたり。
彼女は身体能力に優れています。
走っているところはとてもカッコいい。


昨晩からの土砂降りはきれいに空け、
強い西の風が吹いていました。


再び鎖をつけたたなこに引っ張られるようにして畑に到着。
「なんじゃこりゃぁっっ!!!」


ビニールハウスのビニールはびりびりに破れ飛び、
2段目の畑、玉ねぎ、高菜などを植えている場所の
マルチ(草押さえや保温のために張るビニールのこと)
は外れて風にひらひら舞っています。


急いで1段目のブロッコリーを見に行きます。
10月の台風でも結構やられていたので、今回も心配になったのです。


実際は予想を上回るほどひどかった。
4畝あるうちの4分の3ほどが引っこ抜けたり、根っこ一本でつながっているだけ
になっています。


10月の2回の台風被害にもめげず、かなり立派なブロッコリーをならしていた樹も
畝に惨めに寝転がっています。
中堅どころはほぼ全滅。


しばらく、呆然としてしまった。
「野菜の収穫でもしよう」と気楽にきたのですが、
そんなひまはなくなってしまった。
地域通貨「安房マネー」の交流会にも、行くどころではなくなった。
急いで、たなを山小屋に連れ帰りました。


作業着に着替え、戦闘準備完了。
移植ゴテをもって、
引き抜かれてしなびてしまったブロッコリーを再定植。


「ダメかもしれない」というのはわかっています。
なぜなら、しっかり張っているはずの根っこは樹から引きちぎられ、
残っているのは一本の太い茎だけ。
たとえ再び根付いたとしても、本来実に行くはずの栄養分が、
全部根を生やすことに費やされてしまうのです。


それでも、全くだめになってしまうよりは、
と必死で植えました。
移植ゴテで深い穴を掘って、しっかり土で押さえました。


4メートルくらい先に吹き飛ばされていた樹も拾い集めて植えてやりました。
飛ばされてしまった樹は全部植えなおしましたが、
やはりしおれたままです。
明日以降の観察を待つしかありません。


10月からの台風の中では、今回の被害が一番ひどかったです。
今日は、ブロッコリーを植えなおしただけで一日が終わってしまった。


明日は、ビニールの張替え、マルチの張りなおしをしなければなりません。
家庭菜園に毛が生えたような王国畑でも、
畝にしゃがんで畑を見ると結構広いものです。


「地面からの視点だ!」
なんてかっこつけてますが、
今日は結構辛いです。


でも、きっとこれからこんなことはよく起こるのでしょう。
それが”農“なのでしょう。
原因を探って、またやり直しです。


Tomorrow is another day.