麹仕込みと味噌づめと。
週末の王国イベントは味噌、豆腐作りイベントだ。
味噌は、二樽80きろほど。
朝から、米を蒸して麹を仕込む。
麹菌は近くの薬局で購入した。お米はもちろん王国産。
手順自体はそれほど難しくないが、一つ一つが大切な工程。
中でも1番気をつけないといけないのは、米の温度だ。麹菌は40度以上になると死んでしまったり活動できなくなるので、蒸しあがった米を蒸らしてからヘラでよく切って米の温度を下げる。
それから麹菌をまぶして、後は電気毛布でくるんで麹菌の活動を待つ。
明日、二回切り返して明後日土曜日には完成。蒸した米に菌をつけただけの行為が、時間の経過でどんな風に変わるか、毎回楽しみだ。
午後からは、 去年の同じ頃に仕込んだ味噌の袋詰め。この味噌は、王国サポーターとなってくれている方たちへお届けするもの。
できたての味噌は、深みはないけど新鮮な香りと、ほのかな甘みがする。これは、この時だけの味わいだ。
明後日のイベントでは、このお味噌を使って味噌鍋で楽しもうと思っている。
楽しみ!
ヒヤヒヤな刈り草燃やし
ハウス用の整地を進めるつもりだったが、先日刈った草を週末前に片付けたいと思い、午前中かけて燃やした。
半年近く草刈りを怠っていた場所だったので、草のかさが結構あった。
まずは熊手で畑の真ん中に草を寄せる。
寄せた後は、そこから離れたところに火種を作る。
火種のところに、フォークでひとかたまりずつ草を投入していく。
この手間のかかるやり方を取ったのは、今日は風が強かったから。
風が強ければやめればよいのだが、明日は王国の日で、金曜日に持ち越すのも嫌だな、という思いがあったから。
火事を起こすのは絶対に嫌なので、ポリタンクに水を入れて、いつでも初期消火できるよう準備した。
それでも、結構な火が上がり、火が地面を這っていきそうになるのでフォークで触ってその都度消していった。
燃やしているうちに、灰がだんだんたまってきて、いい草木灰を作れた。
農作物を販売して生活しているわけではないのだけど、素敵な暮らしを自分でも実現したいな、などと考えながら作業したのであった。
“答えのない世界を生きる”
君津のホームセンターから連絡があったので、早速ハウス資材を取りに行ってきた。ちょうど3年前に建てたことが、facebookを見ていたらわかって複雑な気持ち。なんでもfacebookが教えてくれてしまう…
がっしり縛ってもらって、無事帰還。
明日はまず整地かな。
自分の感覚が揺さぶられるような衝撃を受けた。
日本を出てアルジェリアで働いた後、パリの大学で学び、現在はパリで大学の教師をしている著者の人生と考えをなぞりながら、自分自身が問われる本だった。
著者は、被支配者であったアルジェリアに共感しながら、支配者であったフランスに暮らし、さらに自分の日本人性という異質をどのように見つめるかについて述べている。
著者の師であったモスコヴィッシは、「深い変化をもたらし、長く持続する真の影響は少数派のみが起こす。世界を変革するのは少数者だ」という少数派影響理論を唱える。
著者は、「異なる価値観の衝突から新しい価値が生まれる」と考え、母国である日本社会と生活地であるフランス社会のどちらに与するのでもなく、「どちらの社会に対しても、異邦人として生きればよい」とする。
また、学ぶということは、「答えを知ることではなく、問いを見つけること」だという。
私は、小さい範囲ではあるが、鴨川のこの地に生まれ育ったわけでもなく、地元企業に勤めているわけでもない、日本社会に暮らしているけれでも、異邦人だともいえる。
よそ者、と言われるといまでも傷ついてしまうけど、別にそれは事実だし、評価に過ぎない。
何が正しいか、なんてどんどん移り変わってきているし、「いま、何をするべきか、何を考えるべきか」という問いをこそ問うべきであるのだ、と改めて思わされた一冊だった。
ワイヤーメッシュを張ってます。
月曜日は王国の日。
週2回の出勤が、1週間のいいリズムになっている。
小麦が元気に育っている。
朝日に映えて、美しい。
藤本家の前にタネをまいてあるので、行くたびに見られる。今後の生長が楽しみ。
今日は王国農園第2農場に、ワイヤーメッシュを張った。イノシシ除けが中心だが、最近はキョンや鹿が近くまで現れ始めているので、ワイヤーメッシュを張った上に、電柵用の支柱を縛る予定。
この農場は、2005年くらいから使い始めているのだが、最初はほとんど動物の被害はなかった。ところが、今では少し油断するとイノシシや猿が出没し、畑をぐちゃぐちゃにしてしまう。
電柵を張って防護を図ったが、思うような効果があげられなかったので、ここ何年かはワイヤーメッシュが一番役に立っている。無骨な姿なので、一瞬ギョッとするが、これもやむを得ないのかな。
少しわかりづらいが、朝はあれだけ晴れていたのに、とても寒かったからか、午前中の終わり頃に雪が舞っていた。
午後からは伐採。
1本伐るごとに経験値が上がっている気がする。
でも、事故と隣り合わせなので、気を抜いてはいけないな。
草刈りと祭典と
午前中は草刈り初め。
実は、年内に終わらなかったので、今頃やり始めているもの。だらだらと伸ばしてしまい、片付けに手間がかかりそう。
1.5時間ほどで予定していた面積の草刈りを終える。
来週は、これを集めて燃やそう。
その後にはジャガイモでも植えようかな。
梅の花が咲いていた。
この梅は、植えてから10年以上経つと思う。
まだ、実はならさないのだけど。
実がたくさんなったら梅干し作りワークショップができるかな。
五穀豊穣をお祈りする祭りだ。
組長や区長になると、玉串奉奠も行う。
私も、組長だったときはやったが、今は無役なので総代に合わせて一緒に行うのみ。
祝詞も、毎回聞くので結構面白い。
その後の直会では、最近の出来事について色々と話をする。 それぞれの物の見方を知れるので、いい機会になっている。
鴨川市にも地域おこし協力隊がきてくれているのだけど、それをもっと盛り上げていこうという提案をした。
で、その提案をもっと詳しく書いて市に持っていこう!
という話になった。
そう、なんでもやるのだ。
行政が動くのを待っているのではなく、魅力ある地域は自分たちで維持していくということ。
だから、おもしろいのだ!
道具を使いこなすために
木曜日に使ったチェーンソーの掃除をしていなかったことを思い出して、外に出た。
今使っているチェーンソーは去年、イギリスから直輸入したものだ。日本でも同じ方のものが売っているのだけど、直接買ったほうが5割以上安い。ただ、問題は壊れても日本の代理店で直してくれないらしいところ。もし壊れたら、仲間内に聞くしかない。
だから、なるべく壊れないように、日々の整備をきちんとしようと思っている。
幸い、プロの林業家に整備法を教えてもらっているので、自分でやれる範囲の整備は行なっている。
チェーンソーに限らず、いろんな道具、機械は使えば使うほど見る目ができてくるというか、見えるところが増えてきて、面白い。
ドライバー、ブラシ、雑巾、ブロワーなどを使いながら木屑や木の粉を落としていく。
ある程度落とせたら、ソーチェーンを付けて、刃を研いでおく。冬の間はまだまだ活躍してもらわないと困る。
使いこなす、という段階にはまだ遠いけど、工夫しながら身につけていこう。
一般企業なら、私くらいの年になるとそれなりの役職などがあるのだろうが、幸か不幸か自営業の道を選んだ以上、自分で自分を磨いていくしかあるまい。
「地域」って何ですか?“ラジオ・ジャーナルvol.11を聞いて”
心配されていた雪は、我が家では積もらず。しかし、自然王国ではまた積もってしまったようで、明日のカフェ営業ができるか思案中らしい。
「ジャーナルラジオ」というYouTubeチャンネルがある。3人のジャーナリストたちが集まって、自分たちが取材したこと、今話題になっていることについて話し合う、だいたい1時間くらいの番組で、番組名は「ラジオ・ジャーナル」。
昨年から始まって、1週間に1回くらい更新されている。動画がないので、私はラジオを聴くみたいに、作業をしながら聴くことが多い。チャンネル登録をしておくと、アップされると通知が来るので聞き逃しもなく、便利。
最新回はこれ。
”新潟コメ農家問答と中国帰郷青年“ https://youtu.be/0zjjMutFVHg
このなかで、メンバーの一人である上垣さんが、新潟県上越市で23年前に移住した農家である天明さんという方と対談している様子が放送される。
印象に残ったやりとりを、一つだけ書いておく。
それは、「天明さんが地域っていうとき、どの範囲を指しているんですか」という問いに対して、
「基本的には自分の集落、そして旧小学校区域。これだと、どんな人がどんなことをしているか、だいたいわかる。それからは、市とか、県とか、最終的には全国まで行くんだけど」というように答えたところだ。
この感覚に、とても共感できた。私も14年前に鴨川に来たんだけど、今私が地域というと、まず最初は自分の住む佐野地区。そしてそれが大山地区へ広がり、旧長狭町(現在の長狭小中学校校区)、鴨川市へと広がっていくのだ。
地域活性化、という言葉は時として抽象的に語られやすいが、自分が暮らし、働く地域を出発点とすることで、ぶれることなく物事を考えていける気がしている。
ここを現場としてがんばっていこう、と改めて思った。私もこんな風に情報発信できたらなと思い、今妄想しているところ。
ちなみに、前回はこれです。
“日本酒とインサイダーと中江兆民”
収録場所は、実は我が家です。
お隣の釜沼地区での活動の話題から始まっています。
ジャーナルラジオの面々は、王国での活動を通じて知り合った、とても面白い人々です。これからも、いろんなことを一緒にやれたらと考えています。