楽喜舎日録

2013年1月から始めた「楽喜舎」(らっきしゃ)の日録。日々の暮らしからみえてくるものを発信します。日々実践!

養老孟司の大言論1


雑誌「考える人」に9年間連載されていたものの書籍化。
本書で展開される諸論は、一貫して「脳と身体」「都市と田舎」がテーマとなっている。


都市のことを、著者は「脳化社会」といい、「ああすれば、こうなる」という社会であるという。
すべてが予測可能、コントロール可能であるべき社会とでもいおうか。


それに対して田舎は、「自然」であり、手入れをすることが必要なものとなる。
すべてが思い通りになるわけではなく、私たちにできるのはそれに手を入れながら、
それとつきあっていくことだけだということ。


著者に本を通して出会ったのはもう15年くらい前になると思う。
大学生から20代にかけて、たくさんの著書を読んだ。
最近は少し離れていたのだけど、今回の出版をきっかけに再び読み始めた。


ここに書かれていることは、ある意味で警世の書ということになるのだろうが、
私にとっては、まさにこれからやっていきたいことが書かれてある。


それは、大地という自然とつきあいながら、自分の生活を行い、都市へ発信し、交流を持つこと。
すべてを都市化してしまおうという流れに対する、ささやかではあるが根強い抵抗を行う。
あえて抵抗といったけど、それは権力的な活動ではなく、実体をそこに作ってゆく活動。
妥協を繰り返すように見えながら、芯は決して枉げない活動。
地域自治を実現するための行動。


「希望とは自分が変わること」副題となっているこの言葉に、震えた。